ライトノベル三大奇書

ライトノベル三大奇書ついに決定! - WINDBIRDをブックマークして、コメント欄に「推定少女」の方を推すとか書いておいたら、最近のエントリでちょっと言及されてたので、ちょっと私の考えを述べておいてもいいよね、とか思って書いてみよう。

まず最初に言っておくべきこと。私は中国三大奇書はどれも読んでないし、日本ミステリ三大奇書ドグラ・マグラしか読んでないし。最近ライトノベル自体も一時期に比べて読む量が減ってる人間だということ。これだけは言っておかないと始められないからね。ウィンドバードの中の人とかまいじゃーの中の人みたいにたくさんは読んでません。

このエントリで挙げられた中で、「絶望系 閉じられた世界」と「ロクメンダイス」に関しては、私もこれは奇書だと思う*1ので、ここでは何も。私がちょっと疑問に思ったのは、「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」に関して。あとの2冊に比べて、「砂糖菓子」はあまりにも正統派だと思うから。奇妙さという点で比べたら、徐々に逸脱していく「推定少女」のほうが奇妙な物語ではあると思う。

今回の選考基準は「異端で、怨念がこもっていて、完成度の高いライトノベル」です。

この基準に従うと、「砂糖菓子」は「異端である」という条件を満たしていないように感じるんだよね。あまりにもまっとうすぎる。同じところから引用すると、というか、『推定少女』には怨念がこもってません。という評価を下してるけど、私の感覚だと、「推定少女」と「砂糖菓子」において、完成度も怨念量もたいした差がない。更に言うと、異端度に関してもたいした差はない*2。奇妙さという点で「推定少女」が勝ってるので、私は「砂糖菓子」のかわりに「推定少女」を推したい。

ちょっと話は変わって。実はこの選考基準にもちょっと違和感を感じないこともない。仮に選考基準は「異端で、怨念がこもっていて、完成度の高いライトノベルという定義が先に与えられていたら、私が挙げるのは、いわゆる黒古橋のケイオス・ヘキサ三部作以外にありえない。ただ、このケイオス・ヘキサ三部作も異端とは評しがたい。理由は「世界の枠組みにきちんと収まっている」から。「世界の枠組み」というのは、私たちが暮らしているこの「現実世界の枠組み」ではなくて、「作品世界の枠組み」。咒だの霊だのが跳梁跋扈している世界は、この「現実世界」の枠組みからは逸脱してるけど、「ケイオス・ヘキサ世界」の枠組みの中にはきちんと納まって、三部作を通じて枠組みの外にはみ出してくる感はない。

推定少女」と「砂糖菓子」の関係とか、まだ書くことあるけど、気が向いたらあとで書く。

*1:2冊とも読んではないです。ただ、評判を聞く限りにおいて奇書と判断する。

*2:微妙に「推定少女」が上に感じるけど、誤差の範囲内。